くわしく解説!「シニア向けの死亡保険」

いつもご覧いただき、ありがとうございます。

今週も先週に引き続き、先週3日に「FMおたる」で放送した、「FP辰田のサン・サン・トーク!」との連動企画になります。

3日の放送では、「シニア世代の「生命保険」選びのポイント」というテーマで、FMおたるアナウンサーの田口智子さんとお送りしました。

まだお聞きになられていない方は、よろしければこちらからお聞きください。

さて今回のコラムでは、放送でお話しした「シニア向けの生命保険」について、よりくわしく書こうと思います。

ただ経験上、「生命保険」よりも「死亡保険」と書いた方が伝わるのではないかと思いますので、ここからはあえて「死亡保険」と書こうと思います。

シニアの方が「死亡保険」に加入される背景には、「(ご自身)の葬儀費用や死後整理費用で(相続人などに)迷惑をかけたくない」といったお気持ちがあるようです。

実際、私の事務所にご相談に来られたお客様からも、このようなお話しを多くお聞きします。

しかし、この保険の特徴をよく知らないまま何となく加入して後悔をされる方も、少なからずいらっしゃるように思います。

本日は放送でお話しできなかったことも触れたいと思いますので、ぜひ参考にしていただきたく思います。

※ 本コラムは、一般的な保険商品の特徴を説明することが目的であり、保険の募集を目的としたものではありません。

1 「シニア向けの死亡保険」の特徴は?

最初に、「シニア向けの死亡保険」の特徴ですが、これは先週の「シニア向けの医療保険」でお話ししたことと基本的には同じです。

このため、先週の復習といった感じになってしまいますが、大きな特徴は2つあると思います。

「シニア向けの死亡保険」の特徴

① 80歳以上、そして多くの保険は85歳まで加入できる

② 持病をお持ちの方も加入できる

生命保険は、一般に「終身保険(いわゆる「貯蓄型」の保険)」と「定期保険(いわゆる「掛け捨て型」の保険)」に大別できますが、80歳以上の方が加入できる「シニア向けの死亡保険」の多くは「終身保険」です。「終身保険」では一般的に、保険料は一生同じ額となりますが、保険に加入をする年齢が高くなるにつれて保険料は高くなります。

また最近は、いくつかの少額短期保険会社が「葬儀保険」といった名称で、掛け捨て型の保険を販売しており、多くの方が加入をされているようです。

この後は、「シニア向けの終身死亡保険」と「葬儀保険」について、それぞれ特徴や保険料、そして注意点などを書こうと思います。

 2 「シニア向けの終身死亡保険」で注意したいこと

最初に、「シニア向けの終身死亡保険」について書こうと思います。

まずは「保険料」ですが、たとえば、

保険金額100万円の保険に加入する場合…

・65歳 男性…約6,000円、女性…約5,000円

・70歳 男性…約8,000円、女性…約6,000円

・75歳 男性…約12,000円、女性…約8,000円

(※終身払いの場合。このため、保険料は生涯同じ額となります)

といった額が一つの目安になると思います。(ただし、それぞれ独自の特徴やサービスがあったりしますので、商品を保険料のみで単純に比較できるものではありません。)

貯蓄性の保険のため、保険料は決して安くはありませんので、加入に当たっては、よく検討して加入するようにしましょう。

そして放送でも述べましたが、この保険の最大の注意点は、中途解約をしたときの解約返戻金が期待ほど戻らない商品が多いということです。

一般的に、支払った保険料の総額のうち半額程度しか戻らないと考えてよいと思います。

ですので、よほどのことがない限りは、中途解約は避けましょう。また、少しでも中途解約をする可能性があるのでしたら、加入を避けた方が良いと思います。

また、三大成人病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)などで所定の事由に該当したときは以後の保険料の支払いが免除されるといった特約のある商品もありますが、特約に加入するにはさらに厳しい告知要件があります。このため、過去5年以内にガンで治療を受けた方や、過去2年以内に心筋梗塞や脳卒中の治療を受けた方などは、この特約に加入するのは現実的に難しいかと思います。

3  「葬儀保険」はどんな保険?注意したいことは?

もう一つ、「葬儀保険」について書こうと思います。

これは主に「少額短期保険会社」が扱っている保険商品になります。

※少額短期保険とは…

・少額の保険金額を短い保険期間(生命保険と医療保険は1年間、損害保険は2年間)で引受けを行う保険で、「ミニ保険」とも呼ばれています。

・保険期間が短く、保障が少額のため、保険料が安いのが特徴です。

・保険の内容も一般の保険会社には見られない、時代を捉えたニッチな(独特な)ものが多いのも特徴です。

(ペット保険やスマホ保険、旅行保険など、本当に様々な保険商品がありますので、また機会を改めてご紹介しようと思います)。

さて、この「葬儀保険」。葬儀費用に特化した保険ですので、高額の保険金を設定することはできません(設定できる額としては、100~500万円が多いようです)が、掛け捨て型の分、保険料も安く抑えることができます。たとえば…、

保険金額100万円の保険に加入する場合…

・65歳 男性…約3,000円、女性…約2,000円

・70歳 男性…約4,000円、女性…約2,500円

・75歳 男性…約6,000円、女性…約3,000円

といった額が、保険料の一つの目安になると思います。(ただし、それぞれ独自の特徴やサービスがあったりしますので、商品を保険料のみで単純に比較できるものではありません。)

ただし大きな注意点としては、年齢とともに保険料がだんだん高くなるという点です。

たとえば上の例ですと、65歳の男性が新たにこの保険に加入した場合、加入時は毎月約3,000円の保険料だったのが、70歳になると月4,000円、そして75歳になると月6,000円…、といったように、年齢を重ねるにつれて保険料の負担がだんだんと重くなります。

そして繰り返しますが、「掛け捨て型」ですので、途中でやめても解約返戻金はありません

「葬儀保険」の加入を考えるときは、単純に保険料が安いということだけではなく、このようなことを踏まえて検討をしましょう。

以上、2週にわたって「シニア向け保険」の特徴や注意点などを書きましたが、「じゃあ、私の場合はどうすれば良いの?」と思われた方もいらっしゃると思います。

そのようなときなど、不明のことがございましたら、いつでも当事務所までお気軽にお問い合わせをいただければと思います。お待ちしております。

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

来週からはまた、辰田が書きたいテーマでコラムを書いていこうと思います。 テーマはこれから考えようと思いますが、どうぞお楽しみに!