日本学生支援機構の奨学金(貸与型)について

いつもご覧いただき、ありがとうございます。

今回と次回は、奨学金のことについて書いてみようとと思います。

皆様もご存じのとおり、大学等に必要な進学費用は、入学金や授業料だけではありません。

特に自宅を出て一人暮らしをする場合には 下宿代もかかってきます。

その全額を手元のお金で準備できる世帯は少なく、不足する額は「日本学生支援機構(以下、JASSO)の奨学金」や、「教育ローン」の順で検討するという考え方が一般的かと思います。

しかし、奨学金といっても、貸与型の場合は「奨学金という名の借金」です。一方で、JASSOでも給付型の奨学金制度もあるほか、(あまり知られていませんが)給付型の奨学金制度を実施している団体も数多くあります。

現在は、まだ貸与型がメインではありますが、できれば給付型奨学金を活用することで、返済の苦難に巻き込まれることなく、卒業と同時に将来のライフイベントに集中できる計画を考えたいものです。

1 どのような奨学金があるのでしょう?

奨学金は、まず「学外奨学金」と「学内奨学金」に分類されます。(「学」は「大学」のことです)

そして、「学外奨学金」は、主に「日本学生支援機構(JASSO)奨学金」、「地方公共団体奨学金」、「民間団体奨学金」に分類されます。

さらに、これらの奨学金には、それぞれ「貸与型」と「給付型」があります。

これを簡単な図にまとめたのが、下の【図1】です。

【図1】 奨学金の類型について

しかし、現在は「JASSOの奨学金」を利用する学生が圧倒的に多く(ある民間会社の調査では、奨学金利用者全体の約4分の3)、さらに、このうち約7割が「貸与型」のようです。

ということで、以降は「JASSOの貸与型奨学金」について書きたいと思います。

2 JASSOの貸与型奨学金」の仕組みは?

JASSOの「貸与型奨学金」は、どのような仕組みとなっているのでしょうか。

貸与奨学金には利息のつかない「第一種奨学金」と利息のつく「第二種奨学金」があります。募集時期は毎年春で、「第一種奨学金」は学力基準や家計基準を満たした方が受けられます。また、「第二種奨学金」は、「第一種奨学金」より基準が緩やかですが 上限利率3.00%の範囲で利息がかかります(2022年8月現在の基本月額に対する利率は、固定利率が0.468%、利率見直し方式が0.030%となっており、現時点ではそれほど高率ではありません。ただし、奨学金の返済は長期にわたりますので、その辺はよく考慮する必要があるでしょう)。

このことをまとめたものが、【表1】となります。

【表1】JASSOの「貸与型奨学金」の仕組み

また、大学の場合の貸与月額は、【表2】のとおりです。

【表2】JASSO「貸与型奨学金」の貸与月額(大学の場合)

貸与を受けられる額は上表のとおりですが、上述しましたとおり、貸与型の奨学金は、あくまでも「借金」です。貸与額は必要最小限にしましょう。

また、入学初年度は入学金や生活の準備費用などが必要なため、2 年次以降よりもお金がかかります。

そこで、入学初年度のみ、50 万円を上限に一時金を貸し付ける制度として、「入学時特別増額貸与奨学金」があります。

こちらも進学後からの支給ですが、この奨学金と連動した「ろうきん(労働金庫)」の「日本学生支援機構奨学生に対する入学時必要資金融資」という制度を利用すれば、入学前に資金が得られます。また、最終手続時に本奨学金だけの辞退もできます。

3 JASSO「貸与型奨学金」の申込み方法は?

「JASSOの貸与型奨学金」の申込み方法として、「予約採用」と「在学採用」の2種類があります。

これを表にしたのが、【表3】です。

【表3】 JASSO「貸与型奨学金」の申込み方法

(ア)「予約採用」は、具体的に志望校が決まっていなくても申請ができます。

日本学生支援機構が設けている受付時期は、第1回目が5月頃、第2回目が10月頃と年に2回ありますが、申込の手続は各高校に一任されています(すなわち、高校によって募集時期や回数が異なることがあるので、注意が必要です)。

(ア)「予約採用」は、仮に不採用になった場合でも、(イ)「在学採用」に申し込むことができます。また辞退もできますので、奨学金の利用を検討しているのであれば、(ア)予約採用を申請しておいた方が良いと考えます。

4 おわりに

今回は、日本学生支援機構(JASSO)の「貸与型奨学金」を取り上げました。

現実として「貸与型」を利用している学生が多い状況にあるため、今回は「貸与型」を取り上げましたが、上述したとおり「貸与型」の奨学金は「借金」ですので、奨学金を利用する場合には、まずは「給付型」の利用を検討したいところです。

というわけで、次回は「給付型奨学金」について書いていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします!

今回もご覧いただきありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。