「持ち家」と「賃貸」、メリット・デメリットを徹底比較!

ご覧いただき、ありがとうございます。

今回は「持ち家」と「賃貸」のメリットやデメリットについて書こうと思います。

「持ち家」と「賃貸」、どっちがいいの?

これは、私たちFPにとっても、「永遠のテーマ」といえるかもしれません。

雪が融け、住宅の取得をご検討される方が増えるこの時期、私自身も今一度、「持ち家」と「賃貸」のメリットやデメリットなどを整理してみましたので、本日も最後までお付き合いよろしくお願いいたします!

1 家を持っている人の割合はどれくらい?

「持ち家」と「賃貸」のメリットやデメリットを考える前に、どのくらいの人が家を持っているのか、そして年代別ではどのような傾向があるのか、ご存じでしょうか。

ちなみに私は昨年50歳になりましたが、現在も賃貸住宅に居住しています。

このことについては、日本銀行が事務局を務める「金融広報中央委員会」による調査データがあり、その結果が以下のとおりです。

【図1】持家・非持家の割合(2人以上の世帯)

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)

青色系の棒(青:自分自身が購入した家屋・マンション、水色:相続または贈与を受けた持家)が「持ち家」ということになります。

「全国平均」を見ますと、約7割の方が「持ち家」に住んでいるということが分かります。

私は正直、「意外と多いな…」と思いましたが、皆さんはいかがでしょうか。

また、世帯主の年齢が高くなるほど持ち家の割合が高くなる傾向があります。

世帯主が70歳代の世帯では、9割近い世帯が持ち家なのに対し、20歳代の世帯では、2割強となっています。

また、30歳代で住宅を購入する世帯がやはり多いことから、30歳代の「持ち家」の平均値は約5割と、20歳代の平均値から大きく跳ね上がります。

ただし、総務省統計局「住宅・土地統計調査」によりますと、全体の持ち家比率はほぼ横ばい状態ではあるものの、特に40歳代~50歳代の持ち家比率はここ20年間で10%ほど低下しており、将来的には「持ち家」の世帯比率がやや低下傾向になるのかもしれません。

それでは、「持ち家」と「賃貸」のメリット・デメリットを整理していきましょう。

2 「持ち家」のメリットやデメリットは?

まずは「持ち家」、いわゆる「家を持つ」ことによるメリットやデメリットを整理しましょう。

まずは「メリット」です。

「持ち家」の一般的なメリットとして、次の5点を挙げようと思います。

「持ち家」のメリット

① 土地や建物が自分の資産となる

② ローン返済後の費用負担が少ない

③ リフォーム、建て替えなどを自由に行うことができる

④ 老後の住まいが確保できる

⑤ 住宅ローンの団体信用生命保険に加入できる

この中で、私自身が一番大きいことと考えるメリットは、やはり「ある程度の老後の安心」が確保できることではないかと考えます。

特に最近は「人生100年時代」と言われる中、賃貸の場合には家賃を払い続けなければならないということで、必要な老後資金は持ち家の方が少なく済むことが一般的です。

また、最近は⑤の「団体信用生命保険(いわゆる「団信」)に加入できる」ということも、さりげないメリットではないかと思います。字幅の関係で詳しい説明は省きますが、団信に加入することで、生命保険(団信の内容によっては医療保険も)の必要保障額を抑えることができます(すなわち、保険料も安くなります)。

逆にデメリットとして、次の4点を挙げたいと思います。

「持ち家」のデメリット

① 頭金の準備や住宅ローンなど、一時的な費用負担が大きい

② 特に一戸建ての場合、換金性が低い

③ 固定資産税などの税金や、修繕費などの維持費が発生する

④ 気軽に引越しをすることが難しい

大きな「デメリット」は、やはり住宅購入による一時的な費用負担が大きいということです。

特に最近は住宅価格も上昇し続けていますし、金利の動向にも注意が必要です。このため、住宅を購入をする際は、より綿密な資金計画を立てることが重要といえます。

また最近は、④の「気軽に引越しをすることが難しい」ということも、大きなデメリットになってきたように思います。

長く居住をしていると、災害が発生したり、ライフプランが変化したり、また周辺の環境や隣人との関係などで問題が発生することも考えられますが、そういった時に引越しがしやすい「賃貸」に比べると、やはりデメリットになると考えます。

3 逆に、「賃貸」のメリットやデメリットは?

今度は逆に、「賃貸」のメリットやデメリットを整理しようと思います。

まずは「メリット」です。

一般的な「賃貸」のメリットとして、次の4点を挙げたいと思います。

「賃貸」のメリット

① 頭金やローンの負担がない

② ライフスタイルの変化への対応がしやすい

③ 修繕・修理を自分でしなくて済む(一部例外あり)

④ 固定資産税など、不動産の取得や保有などによる税金がかからない

逆にデメリットとして、次の4点を挙げたいと思います。

「賃貸」のデメリット

① 家賃を支払っても、自分の資産とはならない

② 老後も家賃を払い続けなければならない

③ 間取りや内装、設備などを変更できない

④ 老後、賃貸住宅を借りにくい場合がある

「賃貸」のメリット・デメリットは、基本的には「持ち家」の逆と考えてよいと思います。

「賃貸」の大きなメリットは、やはり②「ライフスタイルの変化に対応がしやすい」ことではないかと思います。

逆にデメリットは、「老後生活における安心の確保が難しい」ということです。

特に④の「老後、賃貸住宅を借りにくい場合がある」についてですが、高齢になると、収入面や健康面の不安、そして保証人がいないことなどを理由として、賃貸住宅を借りにくい場合があります(これは家主の立場として考えると仕方のない部分もあるかと思います)。

このようなことも踏まえ、「賃貸」にお住まいの方は、「老後の住まいの計画」を、金銭面も考慮しながら早目に立てておく必要があると考えます。

4 どちらが良いかは「ライフプラン」次第

いかがでしたでしょうか。このように、持ち家と賃貸には、それぞれメリットやデメリットがあります。

最後にもう一つ、「一生にかかる住居費は、どちらが得なんですか?」ということも、お客様からよく聞かれます。

このことについては、私もこれまで多くの記事を見てきましたが、「ほとんど変わらない」という結論のものが多いです。そして私も「長生きすれば若干、持ち家の方が有利になるかもしれませんが、不確定要素が大きいので何ともいえないです」と答えています。

というのは、たとえば持ち家の場合には、所有していても固定資産税や修繕費がどのくらいかかるか、賃貸の場合は将来の賃料相場がどうなるのかなど、将来の不確定要素が非常に大きいので、どちらが少なくて済むかを正確に予想するのは極めて難しいからです。

となると、「持ち家」が良いのか、あるいは「賃貸」が良いのかということは、やはり画一的に論じられる話ではなく、一人ひとりのライフプラン(≒将来の夢や目標など)によって異なるものと考えます。

ですので、私の事務所にご相談に来られたお客様に対しても、単なる「お金」の話にとどまらず、お客様のライフプランをじっくりと伺いながら、どちらがより良いのかをアドバイスするよう心がけています。

また当然ながら、ライフプランは外部環境の変化などによって変わっていきますので、将来の「住まい」に対する考え方も、変わっていくものと思います。

そしてそのような時には、いつでもご相談をお待ちしております。

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

来週と再来週は、「FMおたる」で4月5日(水)に放送する「FP辰田のサン・サン・トーク!」のテーマ(パパ・ママがぜひ知っておきたい、教育費の最新情報)に関連した内容を、お届けします。

放送と併せて、ぜひお楽しみに!

FMおたる「FP辰田のサン・サン・トーク!」

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