知っておきたい! 「72の法則」 と 「126の法則」
ご覧いただき、ありがとうございます。
今日は、「72の法則」と「126の法則」というテーマで書こうと思います。
とはいっても、ご存じない方にとっては、「何だ、これ?」ですよね。
実はこの2つの法則、株式や投資信託などでまとまったお金を投資されている方はもちろん、NISAやiDeCoなどで積立投資をされている方も知っておくと役に立つ法則なのです!
それでは早速、ご説明いたします。
1 まずは、「72の法則」から
最初に、「72の法則」からご説明します。
この法則、私自身は10年以上前から知っており、普段の資産運用でも利用しています。
この法則はどのようなものかといいますと、
「72の法則」とは…
今ある資産を一括投資して、複利で資産運用をする際に、
元本を2倍にするための利率や年数を知ることができる法則です。
とはいえ、言葉で書くと難しいかと思いますので、具体例をあげようと思います。
たとえば辰田が、ある投資信託を100万円分購入し、この投資信託が、毎年4%ずつ値上がりしたとします。(実際には値動きがありますが、ここでは話を分かりやすくするために、毎年4%とします。)
そうしますと、辰田が保有する投資信託は、「72÷4=18」、すなわち18年後に2倍の200万円になると想定できるわけです。
また逆に、100万円を仮に20年後に2倍にしたいときは、「72÷20=3.6」、すなわち年率3.6%以上の商品に投資をしなければならないということが分かります。
なお、この法則は、あくまでも「一括投資」で「複利運用」を行う場合に成り立ちます。
このため、たとえば「積立投資」だったり、途中で元本を引き出したりした場合には成り立ちませんので、ご注意願います。
2 それでは、「126の法則」は?
このお話しを踏まえて、今度は「126の法則」をご説明します。
こちらは私も最近知った法則でして、慶應義塾大学理工学部の此々木則雄教授が「126ルール(126の法則)―積立投資の新ルールー」というレポートで発表されたものです。
この法則はどのような法則かといいますと、
「126の法則」とは…
毎月一定額を積立投資して、複利で資産運用をする際に、
積み立てた元本を2倍にするための利率や年数を知ることができる法則です。
こちらも言葉で書くと難しいかもしれませんので、具体例をあげてみようと思います。
たとえば辰田が、ある投資信託を「つみたてNISA」で毎月2万円ずつ購入し、この投資信託が、毎年4%ずつ値上がりしたとします。(実際には値動きがありますが、ここでは話を分かりやすくするために、毎年4%とします。)
そうしますと、辰田が保有する投資信託は、「126÷4=31.5」、すなわち31年半後に積み立てた元本の2倍になるだろうと想像できるわけです。
ちなみにこの時、元本はいくらになっていると思いますか?
・積立元本を計算すると、「2万円×12か月×31.5年=756万円」です。
これが2倍になっているということなので、756万円×2倍=1,512万円、すなわち約1,500万円になると想定できます。
たとえば、大学卒業後の22歳からこのような積立投資をした場合、理論上は53~54歳で約1,500万円の資産ができる、ということになるわけですね。(もちろん、様々なことが起こる人生で30年間以上も一定額を積み立て続けることは、とても大変なことではありますが…)
3 新しいNISAで、より注目される?
いかがでしょうか。
ただし、今回ご紹介した2つの法則には1点注意が必要です。
それは本文でも少し触れましたが、投資においてはリスク(すなわち「値動き」)があることです。
たとえば年率4%を想定して資産形成の計画を立てた場合、毎年4%で運用できれば法則どおりの成果が得られますが、値動きが大きい場合(たとえば、「ある年は+10%で、翌年は-2%、…」といった場合)には、この法則のように元本が増えないといったこともあり得ます。
そういった意味では、値動きが小さければ小さいほど、法則に近い効果が得られやすいので、分散投資をすることで値動きを抑えることが望ましいといえると思います。
さて、既に本コラムでもご紹介しましたが、来年2024年から、新しいNISA制度(非課税期間の恒久化や非課税投資枠の拡大)が始まる予定となっています。
そうなりますと、より多くの方がNISAを利用されるのではないかと思いますが、このような方にとって、この2つの法則は非常に役立つのではないかと思います。
ちなみに此々木教授のレポートでは、「20代の若者ならともかく、今から積立投資で2倍にするのは大変だ…」と考える40代以上の方のために、積立元本を1.5倍にするための「76の法則」や、1.25倍にするための「43の法則」なども発表されています。
これらの法則によって、投資により自分の資産がどのように増えるのかをイメージすることができますので、ぜひとも有効に活用していただきたく思います。
なお、「じゃあ、私はどのような資産運用をすればいいんだろう?」とお考えの方は、ぜひとも当事務所までご相談をいただければと思います。お客様のお考えをじっくりとカウンセリングしたうえで、お客様に最適と思われる資産運用の方法をアドバイスいたします!
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
来週も、辰田が書きたい内容を書いていこうと思います。 内容は今のところ考え中ですが、改めてお知らせしようと思います。お楽しみに!