「新しいNISA」に関するご質問をシェアします

ご覧いただき、ありがとうございます。

11月1日(水)に「FMおたる」で放送した、「FP辰田のサン・サン・トーク!」。

今回のテーマは、「いよいよ始まる「新NISA」、仕組みや活用術を徹底解説!(後編)」でした。

まだお聞きになられていない方は、こちらからどうぞ。

さて、当番組の後半パートは「新しいNISA」についての「Q&A」でしたが、時間の関係もあり、一部の質問をご紹介しきれませんでした。

そこで本コラムでは、番組内で紹介をしたものを含めた7つのご質問を、皆様にシェアしたいと思います!

「新しいNISA」の欠点があるとすれば、どんなところですか?

私が考える「新しいNISA」の主なデメリットは、

① 現在の「一般NISA」では買うことができた、株式や投資信託の一部(ざっくり書きますと、長期投資に向かない商品(たとえば、「ギャンブル性の強い商品」、「仕組みが複雑すぎる商品」、「毎月分配金を出す投資信託」など)が、「新しいNISA」では対象外になります。

② 18歳未満のお子様は新たな非課税投資ができなくなります(「ジュニアNISA」が廃止されるため)。

③ (「現在のNISA」でもそうですが)、他の証券口座などとの「損益通算」(NISA口座の損失を、他の証券口座などの利益で相殺すること)ができません。

以上の3つのことが思い浮かびますが、それでも私自身は、「新しいNISA」のメリットの方が圧倒的に上回ると思っています。

「NISA」を始めようと思いますが、今から始めた方がよいでしょうか?それとも来年まで待った方がよいでしょうか?

放送内でもお話ししたように、「現在のNISA」を使っているかどうかは「新しいNISA」に全く影響しません。なので、結論としては、「NISA口座」を早めに作って始めた方が良いと考えています。そして、まずは少額で「練習」をしてみると良いと思います。

「iDeCo」と「NISA」は、どちらを使うべきでしょうか?

「NISA」と「iDeCo」は、「節税制度」という部分では共通していますが、その目的や制度の仕組みは全く異なります。

・「NISA」…投資による資産形成を促すための制度で、いつでも取崩しができる反面、節税メリットは、投資による利益が非課税となることのみである。

・「iDeCo」…自身で「退職金」や「老後資金」を準備するための制度で、原則60歳以降でないと引き出せないが、投資による利益が非課税となるほか、拠出額も所得控除を受けられるなど、節税メリットは大きい。

なので、理想は「両方とも」するのがベストだと思いますが、「家計の関係で、どちらか一方しか…」という方は、「NISA」と「iDeCo」それぞれのメリットとデメリットを比べて、どちらがご自身に合うかをご検討いただいたうえで、お選びいただければと思います。

「現在のNISA」で持っている商品はどうなりますか?新しいNISAに移せますか?

先月(10月4日)の放送内でお話しをしましたとおり、「現在のNISA」と「新しいNISA」は別制度の扱いとなりますので、「現在のNISA」の商品を「新しいNISA」に移すことはできません。このため「現在のNISA」で持っている商品は、非課税期間(一般NISA…5年、つみたてNISA…20年)が終了する段階で、課税口座に移すか、売却をしなければなりません。

私は60代なのですが、今からNISAを始めるのは遅くないですか?

結論から申しますと、「遅い」ということは全くないと思います。

確かに「現在のNISA」は、「つみたてNISA」ですと「今から積み立てても…」というイメージでしたし、「一般NISA」ですと非課税期間が5年しかないため、株式などに投資した場合には「マイナスのまま終了…」ということも起こり得ましたが、「新しいNISA」では、生涯非課税で株式や投資信託などを保有できるようになります。

放送内でもお話しをしましたように、シニアの方は「配当金や分配金」を重視される方が多いですが、この「配当金や分配金」も非課税になりますので、少なくとも普通に株や投資信託などを買うのでしたら「新しいNISA」を活用した方がよいと思います。

私が亡くなったとき、NISA口座で買った商品は相続できますか?

「NISA口座」で買った商品を、相続人のNISA口座に「そのまま」移すことはできません。

そのため、一般的には、相続人の「証券口座」や「投資信託口座」など(これらはいわゆる通常の「課税口座」)に商品を移す形になります。なお、その際には、亡くなった方のNISA口座と別の金融機関の口座に移すことはできませんので、相続人がその金融機関の証券口座などをお持ちでない場合には、口座を作る必要があります。

※ 金融機関によって取扱いが異なる場合もありますので、くわしくはそれぞれの金融機関にご確認ください。

「新しいNISA」を機に別の金融機関で口座を作ろうと思いますが、いつからどのような方法で手続きできますか?

一般的な「金融機関変更」の手続きは、

① 現在NISA口座を持っている金融機関で「廃止通知書」を発行してもらう。

② ①で発行してもらった「廃止通知書」を添付して、新たに「NISA口座」を作る金融機関で口座開設の申込みを行う。

といった流れになります。このため、大体1か月以上の時間を要するのが一般的です。ちなみに、今年2023年分の金融機関変更の受付は9月で終了しましたので、これから変更手続きをする場合には、来年2024年から新しい金融機関で取引できることになります。ただし、年始から取引できるようにするための手続期限は各金融機関で異なりますので、それぞれの金融機関でご確認いただきたいと思います。

いずれにしても、変更をお考えの方は、早目に手続きをされた方がよろしいかと思います。

放送用に準備をしていた質問は以上の7問でしたが、いかがでしたしょうか。

ご不明の点などありましたら、何なりと当事務所までお問い合わせください。

来月(12月6日(水))の放送は、 「万一のときに役立つ、「障害年金」のあらまし」というテーマでお話しいたします。

障害年金に関する質問などございましたら、「FMおたる」または辰田まで、どしどしお寄せください!

また、放送の内容など、くわしくはこちらからご覧ください。

ご覧いただき、ありがとうございました。

それでは、来月の放送もお楽しみに!