長期積立投資と「新しいNISA」

ご覧いただき、ありがとうございます。

今回は、「積立投資」のことを書こうと思います。

一昨日(2月22日)に、小樽道新文化センターで「iDeCoとNISA解説講座」を開催しました。

参加された皆様はとても熱心に学んでおられましたが、やはり来年から始まる「新しいNISA」への関心がとても強いように感じました。

さて、いきなりですが、ここで「クイズ」をお出しします。

気楽にお考え下さい!

しっかり者の小樽太郎さん(20歳)は、短大を卒業し、今年から会社員になりました。

太郎さんは、老後の生活が不安なので、毎月3万円を給料から天引きして「積立投資」を始めようと考えました。

この投資による利率が「年率4%」であった場合、太郎さんが60歳になったときにはいくら貯まっているでしょうか?

いかがでしょうか?

「毎月3万円を40年間積み立てるなんて、無理だよ…!」というツッコミは当然あろうかと思いますが、今回は一つの事例としてお受け取りいただければと思います。

また、「年率4%」という利率についてですが、過去30年間の世界株(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス (円換算)の平均リターンが年率8.3%であった事実(出典:「My Index」)を踏まえますと、それほど欲張った数字ではないのではないかと考えます(もちろん、現在の成長が今後も続くのかは誰も予測できませんが、世界の人口増や様々な技術の革新などによって、それなりに世界の経済は成長していくのではないかとは考えています)。

さて、この「正解」は、いくらになるのでしょうか?

1 「長期投資」のチカラ

それでは、先ほどの「クイズ」の答えを。

まず、小樽太郎さんが投資した「元本」ですが、これは簡単に計算ができます。

毎月3万円 × 12か月 × 40年 = 1,440万円 ですね。

そういえば3年ほど前に「老後2,000万円問題」などというものがありました。もちろん、老後に必要な貯蓄の額は人それぞれですが、この「老後2,000万円問題」からすると、1,440万円ではちょっと心もとないですね…。退職金や他の私的年金、または保険金などで「補てん」する必要がありそうです。

しかし、これを「利率4%」で積立投資した場合、この額がいくらに増えるかと言いますと…、

クイズの正解は…

3,483万円!!

何と3,483万円と、2,000万円以上も増えます。投資した元本の、実に約2.4倍です!

ただし、これを売却した場合(ここでは、一括して売却したものとします)、譲渡益に対して約20.315%の税金がかかります(とはいっても、40年後に税率がどうなっているかは分かりませんが…)ので、

(3,483万円ー1,440万円) ×20.315% = 約415万円! の税金が引かれます。

このため実際の手取りは、約3,068万円ということになります。ちょっと残念ですね。

2 「新しいNISA」を活用すると…

さて、このような話をしますと、「何とか、この税金を払わなくても済む方法はないかな…」って考えたくなりますよね。

実は、現在の「少額非課税投資制度」(「NISA」や「つみたてNISA」)では、このような長期投資による譲渡益をすべて非課税にすることはできません。ここでは制度の詳細は省略しますが、ともに非課税投資できる投資額や期間が不足しているからです。

しかし、2024年から予定されている「新しいNISA」では、これができるようになります!

そう考えますと、先ほどの約415万円もの税金を節税できることは、とても大きいですよね。

私自身も現在は「つみたてNISA」を行っておりますので、非常に楽しみにしています。(とはいえ50歳の私は、小樽太郎さんのような長期投資はたぶんできないですが…)

3 おわりに

今回お示ししたのはあくまで一例ですが、「新しいNISA」では、今までの「NISA」ではできなかったことが、いくつかできるようになります。

このことは21日のセミナーでもお話しをしましたが、「新しいNISA」は来年1月からの予定ですので、今後も引き続き、この「新しいNISA」のニュースが様々なメディアを賑わすことでしょう。

私自身も、引き続き「自分ごと」として、「新しいNISA」が一人ひとりの資産形成にどのように役立てることができるのか、追い求めていこうと思っています。

またその中で分かったことなどは、セミナーや本コラムなど、様々な方法で情報発信をしていこうと思っています!

今回もご覧いただき、ありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。