年金を支える「GPIF」の運用実績から学ぶこと
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今日も小樽は暑いですね。引き続き、熱中症や食中毒には十分ご注意ください。
さて、先週の4日(金)に、私たちの年金制度を支える仕組みの一つである「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」が、2024年度の運用収益が約1兆7,300億円の黒字となったと発表しました。
GPIFは、国民年金や厚生年金の積立金を運用している公的機関で、運用総額は約258兆円にのぼります。これは世界最大規模の年金基金であり、将来の年金財源を安定させることを目的として日々運用を行っています。
運用は、法律に基づく基本方針に沿って行われており、国内外の株式・債券にそれぞれ25%ずつ配分する「基本ポートフォリオ(資産配分)」をベースに、リスクを分散しながら進められています。また、相場の変動で配分が大きくずれた場合には、自動的にバランスを調整する「リバランス」も実施されています。
出典:2024年度の運用状況|年金積立金管理運用独立行政法人
気になる実績ですが、2024年度は収益額が約1兆7,300億円、収益率は年+0.71%となりました。大きなリターンではないものの、5年度連続のプラス収益となっています。なお、GPIFが本格的に運用を開始した2001年度から2024年度までの累計収益は約155.5兆円、年平均収益率は+4.2%と、長期的に着実な成果を上げています。
このようなGPIFの運用姿勢から、私たちの資産づくりにも活かせるヒントが得られます。例えば、特定の資産に偏らない「分散投資」、短期的な値動きに振り回されず長期でじっくり運用する姿勢、そして事前に定めたルールを淡々と守り続ける重要性などです。
ただし、GPIFのような運用も含め、資産運用には元本保証はありません。相場の状況によっては、元本割れが起こる可能性もあることを常に意識しておく必要があります。
GPIFの運用は「増やすこと」よりも「守ること」を重視した堅実な姿勢が特徴と考えますが、私たち自身の資産運用においても、「増やす」と「守る」のバランスを意識することが、特にシニア世代の将来の安心につながるのではないでしょうか。
ご不明な点がありましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせください。