「学資保険」や「子ども保険」って、どんな商品?
ご覧いただき、ありがとうございます。
今週も先週と同じく、一昨日(5日)に「FMおたる」で放送した、「FP辰田のサン・サン・トーク!」との連動企画です。
前回5日の放送では、「パパ・ママが知っておきたい、教育費の最新情報」というテーマで、FMおたるアナウンサーの田口智子さんとお送りしました。
まだお聞きになっていない方は、よろしければこちらからお聞きください。
さて今回のコラムでは、放送の後半でお話しした「教育資金の賢い貯め方」の中で少し紹介した、「学資保険」について書こうと思います。
この「学資保険」は、「子ども保険」という名前で販売している保険会社もありますが、一般的な生命保険と何が違うのでしょうか。また、どのようなことに注意すべきでしょうか。
1 教育資金を保険で準備するのは?
放送でもお話ししたとおり、「住宅資金」、「教育資金」そして「老後資金」は、「人生の三大資金」とよく言われます。
このうち「教育資金」は、お子様が生まれた瞬間にその支出時期が確定するといった特徴があります。
また、お子様の進路が明確になると、その必要額もある程度分かります(よく分からない場合は、ぜひともご相談ください!)。
そして必要な教育費を、必要な時期に、確実に準備をしなければなりません。
たとえば、教育資金を(リスク資産といわれる)株式や投資信託、あるいは外貨建ての商品で準備しようとした場合、万一お子様の教育費を支払う直前に大暴落(あるいは為替レートの急激な変動)があった場合、必要な教育費を準備できないといった事態も考えられます。
その時、お子様に「申し訳ないけど、入学を1年待って…(苦笑)」とは言えないですよね。
そういった意味では、元本保証型商品の代表格ともいえる「保険」は、教育資金を準備するための商品として理にかなっているといえます(ただし、外貨建ての商品や、変額保険などは、その限りではありません)。
その保険の中でも、「教育資金」の準備に特化した商品が、「学資保険」や「子ども保険」ということになります。
それでは、これらの保険が他の保険と何がちがうのか、その特徴をご説明します。
2 「学資保険」や「子ども保険」って、どんな保険?
「学資保険」や「子ども保険」は、一般的に、父親または母親のいずれかが契約者、子が被保険者となり、親子で加入する保険になります。
子どもが小学校、中学校、高校、大学への進学時期など節目節目に祝い金が支払われたり、18歳時や22歳時などに満期を迎えたときに満期保険金が支払われます。
また近年は、大学進学時の費用や在学時の授業料などの資金準備に重点を置いた商品が販売されるなど、各社それぞれ独自性を出していますが、一般的には以下の内容を備えています。
【表】「学資保険」や「子ども保険」の一般的な特徴
このように、満期前に契約者である親に万一のことがあっても、満期金は契約どおりに支払われます。ただし、お子様に万一のことがあっても、お子様の死亡保障を目的とした保険ではないので、保障額は小さいのが一般的です。
ところで、これらの保険に加入した場合、どのくらいの保険金が支払われるのでしょうか。
私が色々な「学資保険」や「子ども保険」をチェックしたところでは、たとえば総額100万円を(18年間積み立てで)払い込んだ場合、保険金の受取総額が100~105万円となる商品が多いです。
また、ごく一部ですが、受取総額が払込総額を下回る商品もありました。
これは、現在も続く低金利に加え、保険の場合には手数料として控除される額が大きいことが主な要因です。
それでも最近は、一時より金利も少し上昇しているので、受取総額が増えた商品もあります。
そしてもう一点、放送でもお話ししましたが、「インフレに比較的弱い」ということもデメリットです。(これは保険商品全般に言える特徴でもあります。)
言うまでもなく、入学金や授業料も、年々上昇を続けています。
たとえば、「現在の授業料が100万円だったのが、将来お子様が通学するときに150万円になっていた」といったこともあり得ます。
そんな場合でも、一般的に保険金は契約時の額しか支払われませんので、保険金では教育費の上昇分を賄えないといったことも考えられます。
3 デメリットが気になる方には、こんな方法も…
いかがでしょうか。
放送でもお話ししましたが、「教育費を保険で賄いたいけど、「学資保険」や「子ども保険」では利率が物足りない!」という方は、「低解約返戻金型終身保険」に加入する方もいらっしゃいます。
この保険ですと、確かに「学資保険」よりも高額の保険金を得ることができます。
ただ、途中解約をせざるを得ない状況になった場合、その解約返戻金は払込総額を大幅に下回りますので、注意が必要です。
また、株や投資信託を活用して、NISA口座で積立運用するのも一案です。
たとえば毎月1万円を18年間、年利3%で積立運用した場合、計算上は、投資元本216万円に対して、評価額は284万円になります。
先ほどの保険と比較すると、大きな額を得ることができます。
ただし、先ほども書いたとおり、このような資産は価値の変動幅も大きいので、教育資金をこのような資産のみで賄うのは非常に危険です。保険や国債、預貯金などの元本保証商品と併用して教育資金を賄うようにしたいものです。また、投資初心者の方は、専門家などからアドバイスを受けたうえで行うことをお勧めします。
さて、先週も書きましたが、今月から「FP辰田のサン・サン・セミナー!」を始めました。
本コラムの内容も、セミナーでご質問いただくこともできます。
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今回もご覧いただき、ありがとうございました。
来週からは再び、辰田が書きたい内容を書いていこうと思います。
内容は今のところ考え中ですが、改めてお知らせしようと思います。お楽しみに!